今回は、水と緑に恵まれた自然いっぱいの町、福岡県大刀洗町役場の方にふるさと納税に関
するインタビューをさせていただきました。実際のふるさと納税での効果や、人気の返礼品
である馬刺しなどの魅力についてお伺いしました。
地域振興課 自治振興係
渡邊 直也(わたなべ なおや)様
ふるさと納税全般を担当。その他に、地域コミュニティのことや、町の大きなイベント「ドリームまつり」を担当している。
大刀洗町の近隣の自治体が市町村合併する中、大刀洗町は2004(平成16)年6月の住民投票により、合併をせずに「自立する」道を選びました。
今後、少子高齢化など厳しい社会情勢の中、10年後も20年後も自立し存続していくには、自主財源を確保する必要があります。そのために、大刀洗町はふるさと納税を活用していくことにしました。
事業者も、返礼品に選ばれることで自信がつき、より意欲的になっています。
たとえば、70代の元大工さんが元々はお孫さんのために作っていた子ども用のテーブルと椅子を返礼品で出してみると、すごく人気の返礼品になりました。
レビューも大変良く、子どもが喜んで使っているなどの寄付者様の声を聞いて、その大工さんもやりがいを感じ、生き生きとしています。町民にそういった嬉しい気持ちを届けているのが、ふるさと納税の効果の一つだと感じています。
また、全国の方に大刀洗町を知ってもらうきっかけにもなっています。
全国の皆さんからいただいた寄付金を活用して、新たな施策を考えられるようになっているので、地域の活性化にふるさと納税が大いに貢献していると考えています。
さとふると一部ANAでふるさと納税の申し込みを受けていますが、平成31年5月よりふるさとチョイスと楽天ふるさと納税に参入しようと思っています。
また、ふるさと納税に関するパンフレットを制作中で、今後イベントで配布するなど幅広く活用したいと思っています。
平成29年に寄付金が5億を突破し、前年度に比べると飛躍的に伸びています。
理由としては、返礼品を幅広く発掘していき、地元の事業者さんと度重なる話し合いをし、返礼品のラインナップを増やしたためです。返礼品を充実させた結果、寄付金の増加につながりました。
学校の運動場で、砂埃が立ちにくく子どもたちが安心して遊べるようにするため、運動場を芝生化しました。また、運動場の新しい遊具の購入や、プログラミング教育のためのIC機器の整備などにも寄付金を活用しています。
大刀洗町で安心して子育てをしていただけるように、産後のお母さんをサポートする産後ケア事業にも寄付金を活用しています。
沐浴の仕方を教えたり、子育ての相談にのるなどの産後の不安を解消するための施設があり、その利用料を助成しています。
他には、少子化対策として不妊治療費の補助や、コンビニで住民票発行ができるようにするための事業費など、さまざまなことに寄付金を活用しています。
大刀洗町では家庭の食卓に馬刺しが並ぶのは一般的です。町内に馬肉の専門店が数件あり、
とくにお盆やお正月などによく食べられています。
大刀洗町の馬刺しの特徴は、脂が少なめの赤身で、くせのないあっさりとした味わいです。
オススメの食べ方は馬刺し用のお醤油と、柚子胡椒。他にも、ニンニクやねぎと一緒に食べたり、ごま油と塩で食べたり、さまざまな食べ方で楽しめます。
全国で販売しているエアウィーヴは、大刀洗町でも生産を行なっております。お布団や枕、クッションなどのエアウィーヴ製品を返礼品でお出ししています。
適度な柔らかさで、寝心地が良いと、とても人気のある返礼品です。
自家生産のたまごと、その新鮮なたまごで作った焼き菓子です。
たまごは黄身の色が濃くて甘味が強く、つまめるほどの弾力があることが特徴。
お届けの際には、箱の中に籾殻を入れ、籾殻でたまごを包む形でお届けしています。籾殻の中からたまごを取り出すことが、まるで宝探しのようで楽しいと子どもたちに好評です。
また、たまごとセットの焼き菓子は油で揚げていないのでヘルシーで、しっとりとした食感の焼きドーナツです。たまごの味がしっかりと感じられ、チョコレート味やいちご味、抹茶味など、味の種類も多く、こちらも非常に好評な返礼品です。
大刀洗町の返礼品一覧はこちら
耳納連山を後ろに、どこまでも広がる田園風景、悠々と流れる筑後川、そんな気持ちの良い自然が大刀洗町の魅力の一つです。
平地で、空の広さをより感じられます。その雄大な自然の恵みでできた野菜や、お酒を作っているのでぜひ一度味わっていただきたいです。
1913年に建てられた歴史のある教会で、国の指定重要文化財に指定されています。
長崎にある教会など、多くの教会の建築を手掛けた鉄川与助さんの最高傑作と言われているのが今村天主堂です。
今村天主堂は観光地として残っているのではなく現役の教会で、今でも信徒さんが日常的に使用しています。「吉川英治文学賞」を受賞した、隠れキリシタンの姿が描かれた「守教」という帚木 蓬生さんの書いた小説の舞台にもなりました。
時間帯によって太陽の光がステンドグラスに入り、とても美しく、幻想的です。今村天主堂の維持補修費を、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングで集め、活用しています。
町全体での文化祭のような、大刀洗町で一番大きなイベントです。
保育園のお遊戯や伝統文化である五庄屋太鼓の演奏、カラオケ大会などさまざまな催しがあり、ボランティア福祉団体や町内の飲食店などの大刀洗町に関わる団体が一斉に出店しています。
小さなお子様から、おじいちゃんおばあちゃんまで幅広い世代のみんなで楽しむ、アットホ
ームなお祭りです。毎年11月の第2土曜日、日曜日に開催しています。
今村天主堂の建設時のエピソードを渡邊さんからお聞きしました。建設地は地盤がかなりゆ
るく基礎工事に多額のお金がかかり、当時予定していた教会建設費用をすべて使ってしまった
のだとか。しかし、その事を伝えるとドイツなどヨーロッパの各地から寄付が集まり、建設
には地元の信徒さんが無償奉仕し、完成に至った教会なのだそう。
赤いレンガづくりが特徴のとても立派な教会です。100年以上の歴史がつまったこの教会を
、ぜひ自分の目で見てみたいと思いました。
また、特産品の馬刺しについては、まず一般の家庭の食卓に並ぶという点に驚きました。馬
刺しはお店で食べるものだと思っていました…。自宅で、馬刺しを食べられるなんてとても
贅沢な気分に浸れますよね。皆さんもぜひ大刀洗町に寄付をして、美味しい馬刺しを味わっ
てみませんか。