鹿児島県大崎町は人口約1万人の農業が盛んで自然豊かな街。
今回は大崎町役場の方にふるさと納税に関するインタビューをさせていただきました。
ふるさと納税の独自の返礼品についてや、12年連続リサイクル率日本一になるなど、住民の方々の繋がりが強い大崎町の魅力について詳しく伺いました。
商工振興係 竹原 静史(たけはら しずと)さま
ふるさと納税自体は平成25年から開始しました。最初の返礼品はマンゴーのみで開始し、翌年はマンゴー・お米・菜種油と少し種類を増やしました。
平成27年度からはクレジットカードが使えるようになり、インターネットから返礼品の注文ができるようになったため、寄附額が大幅に伸びました。
返礼品の数も現在では420種類くらいになっています。当初はこちらから地元の業者さんに出品のご案内をしていたのですが、今では業者さんの方からお問い合わせをいただくことも増えました。返礼品には町内で生産・加工されたものを採用しています。
ふるさと納税を開始してから、子育て支援のための事業を実施できるようになり人口減少カーブが少し緩やかになったと感じます。また、平成27年度は全国4位の寄附額を集めたということで、人口約1万人の街ですが街のみなさんの自信に繋がったのではないかと思っています。どちらかというと町内の方々への良い影響を強く感じました。
寄附金の使い道としては、ユニークなところだと北海道の東川町さんと共同で行っている「リサイクル留学生プロジェクト」ですね。
リサイクル留学生プロジェクトというのは、海外から留学生を受け入れ、東川町では日本語と日本の文化を、リサイクル率日本一の大崎町ではリサイクル技術を学び、世界各地でグローバルに活躍する人材を育成しながら多文化共生社会をつくっていこうという試みです。
日本初で唯一の公立日本語学校がある東川町と、リサイクル率日本一の大崎町でしかできない、ユニークなプロジェクトだと思います。今年の10月から2名の留学生が、インドネシアからリサイクル技術を学びに来る予定です。
その他にも、リサイクルや教育などを細かく分けると190くらいの事業があり、いただいた寄附金は選ばれた使い道にそって大崎町の未来のために使わせていただいております。
一番の人気の返礼品はやはり「うなぎ」ですね。天然地下水で養殖されているので、臭みがなくふわふわで本当に美味しいとメッセージをいただくこともあります。
だいたい60%くらいの方がうなぎを選んでいますね。
うなぎだけでなく、大崎町特産の鶏の新鮮で美味しいたまごを使ったカタラーナ(アイスプリン)も人気です。道の駅でヒットし、テレビ番組でも取り上げられるほどの人気です。
濃厚で食感も解凍具合で色々と楽しむことができ、大人から子どもまで美味しく召し上がれます。
食べ物以外では、「銀杏まな板」が注目されています。もともと大工さんをやっていた方が足を悪くしてしまい、まな板づくりを始めたところ質の良さで話題になりました。
人気のため月100件ほど申し込みが来ることもあります。
まな板だけでなく、鹿児島の伝統的なゲーム「なんこ遊び」のキットなども作られています。
これからもっとオススメしていきたいのが、うなぎの肝ですね。よくお吸い物などで使われるうなぎの肝を加工品として焼き肝にしたのが絶品です。
蒲焼き風になっているので焼酎によく合います。焼酎とセットになっている返礼品があるので、ぜひ大崎町の焼酎とうなぎの肝を一緒に楽しんでほしいですね。
月に1〜2回は業者さんが集まって返礼品についての会議をしています。その時に、思わぬコラボ商品が生まれることもあるんです。たとえば「日本一の産地のパッションフルーツと焼酎をセットにしたらどうだろう」、などとこういったアイディアを出し合っています。
大崎町の返礼品一覧はこちら
大崎町には大手チェーン店は一切ないので、地元のお店にふらっと入って料理を楽しんでもらいたいですね。町のうなぎしか使わないうなぎ屋さんや前菜のでるラーメン屋さんなど地域独自の店がたくさんあります。ぜひお気に入りのお店を見つけてくれればと思います。
白い砂浜が綺麗な大崎海岸には数百万本ものクロマツが広がっています。自然が豊かで、潮干狩りなども無料で楽しむことができます。
また、アカウミガメの上陸産卵地になっておりゴールデンウィークには卵を産みに訪れます。
大崎町はリサイクル率80%を超え、12年連続日本一になるなど、住民が一体になってまちづくりに取り組んでいる街です。住民の方々が大崎町の将来像に共感し、成り立っているのだと思います。
最近ではデンマークやスウェーデンからインバウンドの方が訪れることも多くなり嬉しいです。
これからも大崎町として独自性を高めながら、住民一体となって「持続可能な」まちづくりを進めていければと思っています。
リサイクル率12年連続日本一の大崎町。
特産品同士を組み合わせてコラボ返礼品を生み出すなど、大崎町の方々のバイタリティがひしひしと伝わってくるインタビューになりました。
もちろん、うなぎやカタラーナ、パッションフルーツなど魅力的な返礼品が多いのも素敵ですが、返礼品の「品」よりも、業者さんや職人さんなど「人」に注目されているのが本当に素敵なことだなと感動しました。
こういったところがユニークなコラボ商品を生み出す秘訣なのかもしれません。
実際に足を運んで、もっともっと大崎町のことを知りたくなりました!
ご当地グルメ巡りや、潮干狩りなど自然豊かな大崎町を楽しんでみたいと思います。